NIPPON EXPRESS NXエンジニアリング株式会社
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TOSHINARI MURAKAMI 村上 俊成 1993年入社/東北支店(業務推進)
農業科 卒

中学生の頃、当社で働いていた叔父が、海外のプラント建設プロジェクトの話をしてくれたことから、自分も同じ仕事に就きたいと思うように。また、大きい車両を運転したいという夢もあり、以来、他社は全く見ずに当社に入社。入社以来、主に風力発電建設に携わっている。

PAST

2004年/東北重機建設支店 業務推進課
海外プロジェクトで体感した 国際交流の難しさと楽しさ

入社後一定のキャリアを積んだ後、1年間弱にわたってロシアはサハリンのLNGプラント新設工事に参画。初めての海外長期出張ということでワクワクしたが、不安のほうが大きかった。任せられた業務は、さまざまな大きさのベッセル(機器)や発電機など、主要となる部材を輸送船から陸揚げし、トランスポーターと呼ばれる重量品輸送の専用車両で建設現場まで輸送すること。ロシアの道路は未舗装であることが多く、冬のサハリンはマイナス20度にもなり車のドアが凍結して開かなくなるなど、日本と違いすぎる環境への対応に日々直面した。また現地ロシア人、プロジェクトに参加するフィリピン人の人たちとのやり取りも多く、最初のうちは戸惑ったが、ともに仕事を進める過程で徐々に距離が近まり、ぎこちないながらも仕事に支障ないレベルで意思疎通が取れるようになっていった。仲良くなったロシア人と、休日にワカサギ釣りに行くようにもなったのも良い思い出だ。英語、ロシア語、タガログ語などさまざまな言語が飛び交う現場で感じたのはやはりコミュニケーションの大切さ。この長期出張は、国際交流の面白さを知り語学を学びたいと思うきっかけとなった。

2006年/東北重機建設支店 業務推進課
風力発電施設に携わる上での 基礎を身につける

風力発電施設の需要が高まりを見せ始める中、約2年間にわたって東北地方の風力発電所で用いる風車の輸送・据付プロジェクトに参画した。特に輸送では、標高1000mの強風が吹く高原エリアに、合計33基の風車を夜間輸送するというもので、輸送距離も100kmを超えるため、綿密な計画が求められた。振り返ってみて、大切だと感じるのは、仲間との密な連携だ。輸送時は、ブレード(プロペラ)を運ぶ特殊車両だけでなく、先導して安全を確認する車両や、後続して状況を確認する車両が編隊を組み、チームで輸送を行う。事前に調べた危険ポイントや天候を加味した道路の状況などを、リアルタイムに無線で共有しながら、安全に目的地を目指していくのだ。また、風車の据付現場では、風車メーカーのSV(スーパーバイザー)であるドイツ人技術者とマンツーマンで作業指揮に臨んだが、ロシアで海外の人たちと協働した経験がここで役大いに立った。このプロジェクト以降、継続的に風力発電施設の輸送・据付プロジェクトに携わることになったが、その基礎となっているのは、この2年間で得た知識・感覚である。

2021年/東北重機建設支店 業務推進課
キャリアにおける一つの集大成となった 日本初の洋上風力発電建設

日本初の洋上風力発電(秋田県沖)の輸送・据付プロジェクトへの参画は、それまで15年にわたって日本各地を巡り、数多くの風力発電施設に携わってきた自身の集大成とも言えるものだった。従事した作業は、タワー(支柱)の陸揚げ、長さ80mにもなるブレード(プロペラ)やモノパイル(海上で風車を据える支柱)のトランスポーターへの積み込みおよび輸送、さらにはSEP船と呼ばれる作業船に風車を4基積載し、24時間体制で据え付け作業を行うなど、多岐にわたった。日本初ということで、前例のない中で苦労することも多く、自然や天候の洗礼を受けてやきもきしたことも少なくなかったが、これまでのキャリアで培ったことが随所で役に立った。陸上風力とは異なる施工方法の理解、短時間での効率的な作業方法の模索、ヨーロッパ基準での徹底した安全管理など新たに学ぶことも多く、自分の仕事の奥深さと挑み甲斐を再認識できた。そして、得難い経験を積み重ねてきた先に、これほどやりがいのあるプロジェクトが待っていたという事実に、感動のようなものを覚えた。

NOW

2025年/東北支店(業務推進)
これまでの経験を活かしきり プロジェクトに臨んでいく

現在、担当しているのは、50基を超える風車を、港から現場サイトに輸送するプロジェクトを管理しリードしていく仕事だ。多い時には、100t近い部材を積んだ車両を毎日10台以上送り出し、場所によっては狭かったり、高さ制限があったりする一般道路を計画通り安全に輸送していく。特に気をつけていることは、「何を、いつまでに、誰が輸送するのか」という計画を明朗にし、計画を遵守していくこと。現場には、日々多くの部材と輸送車両が出入りするため、錯綜しがちな情報をまとめ上げ、最適にコントロールしていくことが肝要になるのだ。その鍵となるのは、綿密な事前の段取りとコミュニケーション。特に、輸送を担当するメンバー一人ひとりには、耳が痛くなるほどに繰り返し勘所を伝えている。大小さまざまなプロジェクトや現場を経験してきたからこそ、基本的なことを徹底することの意義を感じる。「意志の疎通」「信頼関係構築」「信じて任せる度量」これらは一見シンプルだが決して欠くことができない。あらゆるプロジェクトに通底する要件だと思う。

FUTURE

今後のキャリアについて
忘れられない海外プロジェクトに また挑んでみたい

当社ではさまざまなプロジェクトに挑戦する機会があるが、現時点では海外の現場で風力発電事業に携われたらと考えている。それも周りは海外の人たちばかりで、日本人が数名程度の環境が理想だ。これは、20年前に経験した前述のロシアのLNGプラント新設工事プロジェクトで、言葉を乗り越えて海外の人たちと仲良くなり、同じゴールに向かって切磋琢磨しながら、仕事に打ち込んだ楽しさが忘れられないためだ。特に今、英語の勉強をしているわけではないが、拙い英語でも、一緒にお酒を酌み交わせば仲良くなれるという確信もある。また今後、エネルギー分野の需要増加が見込まれる中、ますます当社の高い専門性は世の中に求められるはず。そうした中で、長年培ってきた知識・ノウハウをしっかり発揮しつつ、次世代にそれらを受け継いでいけたらとも考えている。

運べないものは、ない そして、その先へ