
工学部 環境建設工学科 卒
営業から計画、見積もり〜施工管理まで一貫して取り組めること、またインフラそのものに直接関われることに魅力を感じ、当社に入社。入社後、神戸重機建設支店に配属され、さまざまな重量品の搬入に従事。その後、事務を中心とした業務に携わり、産休・育休を経て復帰後の2024年より現職。
入社1年目の夏、支店長から「出張に行ってみないか?」との声がかかり、富山県にある港のアンローダー(船舶に積載された石炭など粉体状の積荷を取り降ろすクレーン)更新工事の現場に赴いた。今思うと、色々な経験をさせようとしてくれたのだと感じる。現場は、富山、北海道、神戸の3支店合同で行う大規模なプロジェクトであり、トランスポーターという特殊車両を使用して、巨大なアンローダーの撤去・据付作業を行う現場だった。そのため注目度も高く、お客様、本社、各支店など多方面の関係者が現場に集合していた。3支店それぞれの作業責任者の仕事ぶりを、拝見できたのは大きな刺激となり、現場のスケールと相まって、大きな規模の仕事をしている会社だということを誇らしく感じた。その後、この現場で面倒を見ていただいた先輩社員がOJTトレーナーとして指導してくれることになり、先輩とともに全国各地の現場へ。色々な現場を実際に見られたことは良い学びとなった。この一連の経験が、作業責任者として成長する自身の出発点となる出来事となった。
入社2年目以降、約5年間で北は北海道釧路、室蘭、秋田県能代、南は愛媛県新居浜、長崎県対馬まで、全国各地の現場へ赴いた。中でも印象に残っているのは、中部地方で新たに建設されていた工場に機器を搬入するプロジェクトで、見積の作成から、各種計画、施工管理までの一連の工程を主担当として任せていただいた。組み立て後に負具合が生じないかを検証するため、事前に仮組みを行った上で実際の機器の輸送と搬入・据付を行った。機器を構成するさまざまな部材を、どの順番で、どのような方法で、どの開口から搬入し、据え付けていくか…その最善手を考えていく過程はとても大変だったが、周囲にアドバイス求めながら、徐々にその手段が出来上がっていく過程に仕事の醍醐味を感じた。また、現場が自分の練り上げた計画と指示を受けて動いていく点に、自身の職責の大きさとやりがいを見出すことができた。長期出張は大変なこともあるが、各地で同僚やお客様、現地の協力会社や作業員などさまざまな人々との出会いがあり、貴重な人脈を築く絶好の機会だと強く思う。

2023年4月に産休に入る前年。妊娠がわかり、日本各地の現場を飛び回るのは難しくなりそうだなと考えていたところ、上司との面談で仕事内容について配慮していただけることになった。しかし、身重の身体に負担のかからない「現場に出ない前提の仕事」の前例が自分の支店にはなかったため、結果として自分がモデルケースとなり、手探りで試行錯誤することになった。最終的にデスクワークを基本とした業務にシフトし、特殊車両通行許可書や制限外積載・けん引許可書の申請書類など、特殊車両を公道で走らせるための各種申請書類の作成ならびに、官公庁や警察への説明・提出を行う仕事に従事した。実はそれまで担当してきたプロジェクトでは、公道での規模の大きな輸送を経験していなかったため、申請書類に関する知識はほぼ皆無。しかし新たなことを学ぶ過程は思っていたより楽しく、さらに会社の社会貢献性の大きさを改めて知ることができた。実際の出産・育休に入る前は、復帰後の働き方などについて不安を感じていたが、上司や同僚が親身に相談に乗ってくれたことで安心することができた。

育休復帰後からは、人財の採用および教育に携わっている。高卒向け採用では、広報活動から各拠点における実際の選考を担当。大卒向け採用に関しては、本社担当者とともにチームとして採用活動全般に臨んでいる。復帰直後に大学の学内セミナーに参加した際は、自分のこれまでの仕事経験を語る場面があり、学生に向けた当社のPRに自身のキャリアが大いに活きることを実感した。その一方で、学生に当社の魅力の本質を齟齬なく伝える難しさも感じた。「NXグループのネームバリューは十分にあると手応えを感じる反面、当社の重機建設・重量品輸送の仕事は知られていない。どうすれば自分たちの仕事の醍醐味や社会貢献性が伝わるか」と…。ただ、さまざまなPRのアプローチを模索する過程に、面白さも感じている。働き方に関しては、在宅勤務、出先への直行直帰などで柔軟にスケジュールを組むことができ、周囲の協力・理解もあるため、仕事と育児を両立できている。
結婚・出産・育児を経た女性社員は少しずつ増えてきたが、まだ少なく、ロールモデルとなる方は多いとは言えない。だからこそ、自分がキャリアモデルの一人になれたらと考えている。自身のキャリアは、妊娠を期に現場メインの仕事から、採用・教育の仕事にシフトしたが、先輩ママ社員の中には、現場の後方管理の業務に就いている方もいる。これから後に続く女性社員たちのために、こうしたキャリアの選択肢を増やしていければと思う。仕事で挑戦したいのは、家庭と仕事を両立し、採用・教育・総務関連のプロになること。まだ始めたばかりなので、課題も見えていない状態だが、1シーズン経験した後、採用・教育・総務関連についてより深く学び、試行錯誤しながらその道を追求していきたい。

